NASA副長官(Thomas Zurbuchen氏)が本郷キャンパスで講演!!”How to make great ideas happen”


9/20に、本郷キャンパス理学部1号館でNASA副長官(Thomas Zurbuchen氏)の講演があるということを先輩から聞いて、覗きに行ってみました!

80席くらいある講義室でしたが、聴講者が予想以上で明らかにキャパオーバーになっていました。私は早めに行ったので前の方の席に座れましたが。

講演はNASA副長官がメインで、JPL(Jet Propulsion Laboratory)の方がちょこっと喋るという感じで1時間の講演となっていました。

内容はタイトルにもある通り”How to make great ideas happen”
如何にして素晴らしい考えを思いつくか、ということについて5つの探査機を例に取って説明してくれました。

1.VOYAGER – imagine the future
ボイジャー1号、2号は聞いたことのある人も多いのではないのでしょうか?
ボイジャー計画は、太陽系の外惑星と太陽系外の探査計画で、探査機は1977年に打ち上げられました。当時は外惑星についての情報が今よりもずっと少なかったわけですから、「どういった機器を搭載してどういった情報を得るようにするのが良いのか?」ということを予め考えなければならなかった訳です。
“imagine the future”未来を想像して準備することが大切だった訳ですね。

2.PARKER SOLAR PROBE – innovate solutions
パーカー・ソーラー・プローブという探査機をご存知ですか?私はしりませんでした(笑)これは、太陽に接近して、太陽の外部コロナの観測を計画している探査機で現在は2018年の打ち上げが予定されています。
パーカーを作るに当たっては様々な制約がありました。熱や重量などを考えて、どういった機器を搭載するか機器の配置をどうするかといったことを決めなければなりません。そういった時、様々な策を練って、新しい解決策を取り入れる(innovate solutions)必要があるのです。

3.CASSINI – working with great teams
カッシーニについては先日ニュースになったので知っている人も多いかもしれません。土星と土星の衛星を観測し、先日運用を終え、土星大気に突入(グランド・フィナーレ)した探査機です。この土星探査計画には欧米を中心に26ヵ国が参加しました。そして、多くのバックグランドを持った人たちが意見を出し合うことで、多様な意見を得ることができ、様々なアイデアが生まれてくるのです。
重要なのは working with great teams ということです。

4.HUBBLE – overcoming challenges
ハッブル宇宙望遠鏡は、最も有名な宇宙望遠鏡の一つです。地球の大気の影響を受けない望遠鏡として1990年に打ち上げられ、今も軌道上にいます。
ハッブル宇宙望遠鏡は大きな困難に直面しました。幾度もの延期の末、打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡ですが、打ち上げ後の調整で望遠鏡の主鏡に歪みが生じていることが判明しました。この歪みによって性能が大きく下がってしまうため、有人船外活動による修理が行われました。この修理は無事成功し、ハッブル宇宙望遠鏡は素晴らしい性能を手に入れることができたのです。
困難を乗り越えて(overcoming challenges)掴んだ性能でした。

5.MESSENGER – having patience
メッセンジャーはマイナーかもしれません。私も、名前を聞いたことがあるくらいでした。メッセンジャーは2004年に打ち上げられた水星探査機です。地球の軌道から水星の軌道に行くためには、言わば太陽の方向へと落ちていくことが必要になるわけですが、そのために「減速」をしなければなりません。メッセンジャーは減速するために、地球・金星・水星で何度も「減速スイングバイ(スイングバイとは、惑星の重力を用いて探査機の速さと方向を変えること)」を繰り返しました。
このため、地球から水星まで直線距離1億kmのところを、なんと79億kmもかけて到達したことになります。
これには膨大な時間がかかりましたから、運用する側としても我慢する(having patience)ことが必要だった訳です。

以上、
How to make great ideas happen are
1.imagining the future
2.innovating solutions
3.working with great teams
4.overcoming challenges
5.having patience
という内容の講演でした!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)