東京大学航空宇宙工学科の大先輩が書いた本が発売されるとtwitterで知り、本屋に立ち寄った際に購入しました。
第1章では、SFの父と呼ばれるジュール・ベルヌから始まり、ロケットの父であるツィオルコフスキー、ゴダード、オーベルトの3人、そして宇宙時代を築き上げたフォン・ブラウンとセルゲイ・コロリョフについて書かれており、宇宙開発史を詳しく知ることができます。
第2章では、「月軌道ランデブー・モード」を提案した無名の技術者、ジョン・ハウボルトと、アポロ着陸船に非常用プログラムを密かに書いておいた無名のプログラマー、マーガレット・ハミルトンについて書かれており、宇宙開発が多くの人の貢献によって成り立っていることを実感できます。
第3章は、太陽系探査の話で、ボイジャーがいかにして木星・土星・天王星・海王星を観測するに至ったか、そして、その惑星や衛星の観測結果について書かれており、太陽系内に大きな希望を抱ける内容となっています。
第4章は、太陽系生命探査の話で、火星、タイタン、エンケラドスなど生命の痕跡が掴めそうな惑星・衛星に対する生命探査の最前線を知ることができます。
第5章は、もっと一般的な地球外文明の話で、宇宙人がいるとしたら、なぜコンタクトを取ってこないのか?などの疑問について考察しています。
宇宙に興味のある人にとっては絶対に退屈しない内容となっており、読みやすさと専門性と文学的表現とユーモアが上手く織り込まれています。
筆者について
小野雅裕さんは、私が所属する航空宇宙工学科の大先輩です。
学部時代は超小型人工衛星の研究室だったのですが、その後、アメリカに渡りMITで修士課程を修められています。
現在はNASAのJPLで火星ローバーの制御プログラムを書いたりされているようでとにかく輝かしい経歴です。