劇場版名探偵コナン ゼロの執行人 レビュー【ネタバレ注意】


 

先日、劇場版名探偵コナン ゼロの執行人を観てきました。以下はそのレビューです。

1.レビュー

前評判としては、昨年の「から紅の恋歌」ほど世間で盛り上がっている印象はないものの観に行っている人も多いという感じでした。

映画が始まると開始早々に爆発!
さすがスポンサーからガス会社が外れる劇場版は毎度派手です!

そこからのオープニングは劇場版22作中最もアレンジが加えられている印象でした。「ん?曲の原型保ってなくね?」みたいな。
また「俺は高校生探偵工藤新一。幼なじみで‥」の箇所の映像では、電子回路のような背景が使われていて、今回の映画の雰囲気が出ていました。

爆発事故の容疑者として毛利小五郎が逮捕されて物語が進んでいきますが、メインのストーリーは複雑かつ地味です(笑)
公安が主役ということもあり、今までの劇場版コナンのストーリーとはかなり違っていて、刑事ドラマでよくありそうな流れでした。
公安検察・公安警察の力関係、公安の違法操作、公安の協力者、とにかく色々なことが入り組んでいて、小さい子供にとってはつまらないだろうなという内容でした。
しかし、人物の関係を整理しながら観ていくとそれなりに面白味のある内容だったと思います。少なくとも推理要素がほとんどなかった「純黒の悪夢」よりは推理を楽しめました。

アクションシーンに関しては、あり得ないシーンばかりでしたが、そんなことを気にせずに観ると迫力があり興奮しました。
少年探偵団がドローンを操縦して日本を救うシチュエーションとか、安室さんのドライブテクニックとか、クライマックスでお馴染みの花火サッカーボールとか「純黒の悪夢」に劣らないアクションシーンでした。
安室さんファンにはたまらないでしょうね。

2.航空宇宙関係のツッコミ

今回は、火星無人探査機「はくちょう」とアガサ博士のドローンが登場し、航空宇宙要素が満載でした。
それ自体は非常に嬉しいのですが、ツッコミどころもあったので挙げていきたいと思います。

①火星無人探査機「はくちょう」の管制を全てNAZUが行っている件

作中では「はくちょう」という火星無人探査機が地球に帰還します。日本語の愛称がついているのでおそらく日本が開発した探査機ということになります。
しかし、作中ではNAZU(NASAをもじったもの)というアメリカの機関が全ての管制を行っています。
基本的には、日本の探査機は日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の管制室で管制を行います。電波が届かない時はともかく、作中で「はくちょう」は日本付近にいましたので、日本で管制していないのはおかしいです。

おそらく、JAXAをもじった機関を登場させる案もあったとは思うのですが、知名度とインパクトに欠けることからNASAをもじったNAZUにすることにしたのでしょう。

②「はくちょう」太陽電池パドルが太陽の方向を向いていない。

これは誰が見ても分かります。
「はくちょう」が地球に向かっている映像がありましたが、その時太陽電池パドルは地球の方向を向いている一方で、太陽は左側から地球を照らしていました。

はっきりとツッコミを入れられるのはこの2つぐらいです。
見たところ、4mのカプセルを分離した「はくちょう」の質量はかなり大きそうですが、H-ⅡBロケットで打ち上げるのは不可能ではない気もします。
また、ドローンに関して、作中のような通常のローターで数十キロの航続距離を持つドローンが作れるのかは疑問ですが、実際数十キロの航続距離を持つドローンはあるので‥否定はしないでおきます。


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