1月11日(木)、ふとツイッターを眺めていると、どうやら「今日、落合陽一の講義があるらしい」ことが分かりました。割と最近フォローしている人物ということもあり、せっかくの機会なので行ってみることにしました。
場所は、情報学環・福武ホール地下2階で、6限(18:45~20:30)の授業でした。「東京大学大学院共通授業科目 エグゼクティブ・プログラム17 新たな価値創造と社会的責任」というオムニバス形式の授業の最終回だったようです。東大の大学院生しか履修できませんが、聴講可ということなので、聴講生として、入場することにしました。
講義開始10分前に部屋の前に着くと、さっそく落合さん発見!写真撮影に応じていたみたいです。
受付的なものがあったので、聴講したい旨を伝えると、聴講生用の出席カードをもらえました。「人数が多いので、後ろのほうの席で聴講してください」とのことでした。
教室は、横長の開放的な空間でした。一応立ち見もできるように後ろに大きくスペースが取られた教室です。
落合さんの座っている席にスマホがセッティングされていてこれで、講義中自分を録画するつもりらしいですね。
講義が始まるまでボーっとしていると、ベビーカーに乗った親子が到着しました。「落合家か?」と思ったらやっぱりそうだったようです。Twitterでしか見たことがなかった落合Jrですがメチャクチャかわいかったです。
あと、PCでメモを取ろうと思いましたが、周りがiOSばかりで、自分のくそダサい生協PCを出すのが憚られました。
今日は、落合さんだけという訳ではなく、落合さんの大学院時代の指導教官に当たる暦本先生と落合さんの師弟講演という形らしいです。
ちなみに、落合さんが大学院時代にいたのは、東京大学大学院 学際情報学府です。「東京大学大学院 情報学環・学際情報学府」という比較的新しい枠組みがあって、その中で、研究を行い教員のみが所属しているのが「情報学環」、教育を行い学生が所属しているのが「学際情報学府」らしいです。なので、ここ情報学環福武ホールは本拠地の一つだったのではないでしょうか?
そんなこんなで講義が始まりました。
まず、暦本先生の講義です。
・声に出さない音声コミュニケーション
これは、今では「Alexa」と声に出さないといけないところを、舌の動きだけで通じるようにするという研究ですね。
・窓の透明度を自動的に変える技術
窓をモザイク状にして、特定の箇所だけ透明度を低くすることができれば、「部屋の中のテレビだけは外から見えないようになっている部屋」や「テーブルの上の果物にだけ直射日光が当たらない窓」が実現できたりします。
・画面の周辺映像を補完する技術
テレビを観る時に、画面の外側の壁にもそれっぽい映像を映し出すことができれば、より没入感が高まります。これは、画面の映像からニューラルネットワークで学習させてそれっぽい映像を作ることが可能です。
・笑ったら反応するデバイス
表情フィードバック仮説(「嬉しいから笑うというだけでなく、笑うから嬉しい」等)を根拠に笑わないと開かない冷蔵庫、笑わないと開かないブレインストーミング用の部屋などを作ってみたそうです。笑うことを強要するってある意味ディストピアでは?という自虐も。
次に落合さんの講義です。
プロジェクターに投影されたタブレット画面に書き込みながら話すというどっかで見たようなスタイル。
喋りたいこと・紹介したいことを次から次へと喋っているので途中からメモを取るのをやめました。Youtubeで見た講演と被っていたものもありましたが(シャボン膜のモルフォ蝶とか空気分子のプラズマ化とか)。
最近作った新しいアート作品や新しい形のオーケストラの紹介もありました。
特に今回の講義で強調していたのは「Issue driven」ではないかと思います。講義の中でも福祉介護分野の研究開発を取り上げたりしていました。
本来、落合さんは放っておいたら、自分のやりたい研究をするか、自分の作りたいアートを作り続けるかだと思いますが、その中で社会問題に取り組むという瞬間が大切だということを強調していました。質疑応答の時間にも度々話題に上がっていましたね。
こんな感じで講義なのか何なのか分かりませんが、講義が終わりました。
とにかく、お二人とも研究を楽しんでるなぁという印象を受けました。
そして、一番強く感じたのは「このような実装が素早く行える研究分野って、モチベーションも維持しやすいし、没頭しやすくていいなぁ」という感想です。
私の研究テーマである、「次世代航空機の設計」は、短期間で実装など行えるはずもなく、何世紀たっても実装されないかもしれないものです。
一方で、大きな夢を見ながら研究できるという点では、こういう簡単には実装できない研究の方が優れているのかもしれませんね。
P.S.どうやらこの講義は、翌週に打ち上げ的なものもあるらしいです。なかなかに変わった講義ですね。講義後に落合さんにサインをもらってる人もいました。