ブレードランナーの世界観


1982年公開のSF映画、ブレードランナー。

舞台は2019年のロサンゼルス。レプリカントと呼ばれる人造人間が脱走し、人間社会に紛れ込んだため、デッカードが彼らを解任(射殺)する「ブレードランナー」として任務を遂行する話です。

この映画のロサンゼルスは、昼間も薄暗く酸性雨が降り注ぐ環境です。空飛ぶクルマのようなものも見かけられます。街には、日本語の看板も多くみられるなど、ヒト・モノ共に多国籍です。ただ、近年のアメリカSF映画で頻繁に登場する「中国」はこの映画ではほとんど存在感がありません。1980年頃は、まだアメリカと並ぶ大国になるとは思われていなかったのでしょう。

作中の電子機器は現実世界に比べると大したことはありません。テレビ画面のような物に話しかけて指示を出すことによって、写真をクローズアップさせたり印刷したりできるようになっていました。音声認識の実現は予想されていたようですが、スマホのようなポータブルデバイスやアップルウォッチやグーグルグラスのようなウェアラブルデバイスの登場は予測できていなかったのでしょう。

一方、作中の空飛ぶクルマや宇宙開拓については、現実世界ではまだ実現には程遠い状況です。航空機が専門分野である私の意見ですが、空飛ぶクルマの実現には、航続距離・乗車人数の制限・法規制・安全性などの課題が山積みで、最近世間で空飛ぶクルマブームにはなっているものの、それが社会実装されるのはまだまだ先だと思われます。

作中の生命科学分野の発展は、目を見張るものがあります。これがなければ、この映画が成り立たないので当然ではありますが、遺伝子工学や組織工学は現実世界の技術よりはるか先を行っているように思われます。

 

作中の2019年はディストピア感満載でした。現実世界では、ここまでひどくなっていなくてよかったと感じました。1980年頃に想像していた世界よりも現実世界は確実に良い世界になっています。これは、この40年弱人々が現状を危惧して改善を続けてきた結果だと思います。メタな視点になりますが、この映画における2019年の世界観と現実世界の2019年を比較することで、「一人一人の取り組みによって、世界はより良いものにできる」ということを学びました。

 

 


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