脱航入車民によるヒコーキとクルマの比較


寒さが一段と厳しくなってまいりましたが, いかがお過ごしでしょうか. cassiniです.

弊専攻21卒修士は, 航空業界(重工・エアライン)に進む人が極端に少なく, もしかすると自動車業界に進む人数と同程度, という異例の事態になっております. さて, 航空業界にお別れを告げて, 自動車業界に入ることになったcassiniは, 「飛行機と自動車をもっと体系的に比較してみれば面白いんじゃね?」と思い, この記事を書くことにしました.

なお, この記事は東京大学航空宇宙工学科/専攻 Advent Calendar 2020の記事となっております.

歴史

(歴史には諸説あります)

まず, 飛行機の歴史についておさらいしておきます.

1903年12月17日, ライト兄弟が世界初の「重航空機による有人動力飛行」に成功しました. この日の4回目の飛行では, 滞空時間59秒, 飛行距離259.6mを達成しています.

その後, 飛行機は進化を遂げ, 1914年に世界初の全金属性の飛行機ユンカース F.13が初飛行しました.

1927年には, スピリット・オブ・セントルイス号と名付けられたライアン NYP-1に乗って, チャールズ・リンドバーグ(1902-1974)が単独の大西洋無着陸横断飛行を初めて達成しています.

そして, 第二次世界大戦では, スピットファイア, メッサ―シュミット, 零戦などの戦闘機が誕生しました.

1947年には, ロケットエンジンを搭載した実験機ベル X-1が水平飛行で初めて音速の壁を突破しました.

デ・ハビランド社のコメットは1949年に初飛行した世界初のジェット旅客機で, 金属疲労による二度の墜落事故を引き起こしたことでも有名です.

1969年の2月にはボーイング747, 3月にはコンコルドが初飛行し, 20世紀を代表する旅客機と言っても過言ではない2機が初飛行した記念の年となっています.

1987年には初めてフライバイワイヤを採用したエアバスA320が初飛行しました.

 

 

飛行機の起源として, ライト兄弟の有人動力飛行は有名ですが, 自動車の起源はあまり知られていないかもしれません.

世界最初の自動車と考えられているのが, 1769年のキュノーの砲台です. まだフランス革命が起こる前のフランスで, ルイ15世が製作させた三輪蒸気自動車の試作車です. これは, 1770年に世界初の交通事故を起こした自動車でもあります. スピードは10km/h以下だったと言われています.

世界初の電気自動車の発明は1830年代と言われており, スコットランドの発明家ロバート・アンダーソンが一次電池を搭載した電気自動車を発明しました.

世界最初のガソリン自動車は1886年に誕生しました. カール・ベンツ(1844-1929)は6月初旬に三輪自動車を完成させ, 同年特許を取得しています. 一方, ゴットリープ・ダイムラー(1834-1900)は1885年に完成させた自動車用ガソリンエンジンを, 1886年に自動車に搭載して走らせました.

このように自動車の黎明期には, 蒸気自動車・電気自動車・内燃機関自動車が競い合っていましたが, 重すぎる蒸気自動車・バッテリ寿命が短い電気自動車は, 次第に内燃機関自動車に淘汰されていきました.

その後, T型フォードが1908年に発売されたことで, 人々の移動手段が馬車から自動車へと一気に変わりました. この変革を取り上げて, 1900年と1913年のニューヨーク5番街の写真がよく比較されたりします. 2枚の写真を見ると, 13年間で移動手段が馬車から自動車に一気に変わったことが分かります.

日本で自動車産業が動き始めたのは, 1930年頃で, 1933年に自動車製造株式会社(現日産自動車株式会社), 1937年にトヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車株式会社)が設立されています.

また, 意外ではありますが, 自動車の運動方程式が確立したのは飛行機よりもだいぶ遅い1956年です(飛行機は1911年). 運動方程式も分からないのに, よく普及したなと思います.

また, 最近は環境に配慮した自動車として, 1997年発売のハイブリッド車(HV)トヨタプリウス, 2010年発売の電気自動車(EV)日産リーフ, 2014年発売の燃料電池自動車(FCV)トヨタMIRAIなどがでてきています.

以上を年表にまとめてみました(Fig. 1).

Fig. 1 飛行機と自動車の年表 

 

市場

民間旅客機市場は完全な寡占状態です(Fig. 2). 一昔前まではマクドネル・ダグラス社などもありましたが, 現在100席以上の旅客機についてはBoeingとAirbusがほぼ市場を二分している状況です. それだけ参入障壁が高いということでしょう.

Fig. 2 民間旅客機市場のイメージ図

一方, 自動車の完成車メーカーは先進国を中心に乱立しています(Fig. 3). 販売台数トップのVWですら市場全体の10%程度に留まっています. 飛行機に比べると参入障壁が高くなかった一方で, 輸送コストや関税が高くつくのが原因で各々の地域で会社が成長したのでしょう. 今後, 電動化という観点では参入障壁が低くなる一方で, 自動運転システム等への投資には多額の資金が必要なため, 自動車業界はどうなっていくのか読めない状況です.

Fig. 3 自動車市場のイメージ図

続いて, 市場規模について, 納入機数および販売台数等を用いて比較します(Fig. 4). 数を比較すると, 大体6000倍の差であることが分かります. 仮に, 飛行機の価格を1機あたり200億円, 自動車の価格を1台あたり300万円で計算すると, 市場規模はそれぞれ35兆円と285兆円です. 自動車の方が1桁市場規模が大きいことが分かります. また, 価格については, 737やA320だと100億円前後, 787や350だと300億円前後です. 一方, 自動車は大衆車だと100万円台~300万円台というところでしょうか. 実に, 1000倍の価格差があります.

Fig. 4 飛行機納入機数および自動車販売台数の推移(文献[1][2]をもとに作成)

技術系分野

運動方程式

今度は, 運動方程式を簡単に比較します.

まず, 飛行機についてです. 航空機力学では座標軸は以下のように取ります(Fig. 5).

  

Fig. 5 飛行機の座標軸

飛行機の運動は縦の運動と横の運動に分かれます.

まず, 縦の運動では, 機体固定座標\(x\)軸方向速度成分\(U\), \(z\)軸方向速度成分\(W\), ピッチ角速度\(Q\), ピッチ角\(\Theta\), 地面固定座標位置\(x_e\), \(z_e\)を扱います. 2つの並進運動と1つの回転運動を扱うことになります.

機体の質量を\(m\), \(y\)軸回りの慣性モーメントを\(I_y\), 機体に働く\(x\)軸方向の空気力を\(X_a\), \(z\)軸方向の空気力を\(Z_a\), 機体に働くピッチングモーメントを\(M\)とすると,

$$m(\dot{U}+QW)=X_a-mg\sin{\Theta}$$

$$m(\dot{W}-QU)=Z_a+mg\cos{\Theta}$$

$$I_y\dot{Q}=M$$

$$\dot{\Theta}=Q$$

$$\dot{x_e}=U\cos{\Theta}+W\sin{\Theta}$$

$$\dot{z_e}=-U\sin{\Theta}+W\cos{\Theta}$$

という6式で運動を表せます.

1つ目・2つ目の式は, \(x\)軸方向・\(z\)軸方向の並進運動の運動方程式

3つ目の式は, \(y\)軸回りの回転運動の運動方程式

4つ目の式は, ピッチ角の変化率を表したもの.

5つ目・6つ目の式は, 地面固定座標の速度を機体固定座標の速度とピッチ角で表したものです.

これを基に水平定常飛行からの微小運動を考えることで, (安定微係数が大量に入った)線形状態方程式に帰着することができます. この状態方程式は入力量がエレベーター舵角\(\delta_e\)とスロットル操作量\(\delta_t\)の2つ, 状態量が\(x\)軸方向速度成分変化量\(u\), 迎角変化量\(\alpha\), ピッチ角速度\(q\), ピッチ角変化量\(\theta\)の4つとなっています.

具体的には, 以下のようになります.

$$\boldsymbol{\dot{x}=Ax+Bu}$$

$$\boldsymbol{x}(t) = \left[ \begin{array}{c} u \\ \alpha \\ q \\ \theta \end{array} \right], \boldsymbol{u}(t) = \left[ \begin{array}{c} \delta_e \\ \delta_t \end{array} \right]$$

$$\boldsymbol{A} = \left[
\begin{array}{cccc}
X_u & X_{\alpha} & 0 & -g \\
{\frac{Z_u}{U_0}} & {\frac{Z_{\alpha}}{U_0}} & {1+\frac{Z_q}{U_0}} & 0 \\
{M_u+M_{\dot{\alpha}}(\frac{Z_u}{U_0})} & {M_{\alpha}+M_{\dot{\alpha}}(\frac{Z_{\alpha}}{U_0})} & {M_q+M_{\dot{\alpha}}(1+\frac{Z_q}{U_0})} & 0 \\
0 & 0 & 1 & 0
\end{array}
\right]$$

$$\boldsymbol{B} = \left[
\begin{array}{cc}
0 & X_{\delta_t} \\
{\frac{Z_{\delta_e}}{U_0}} & {\frac{Z_{\delta_t}}{U_0}} \\
{M_{\delta_e}+M_{\dot{\alpha}}(\frac{Z_{\delta_e}}{U_0})} & {M_{\delta_t}+M_{\dot{\alpha}}(\frac{Z_{\delta_t}}{U_0})} \\
0 & 0
\end{array}
\right]$$

 

また, 横の運動では, 機体固定座標\(y\)軸方向速度成分\(V\), ロール角速度\(P\), ヨー角速度\(R\), ロール角\(\Phi\), ヨー角\(\Psi\)を扱います. つまり, 1つの並進運動と2つの回転運動を扱います. 具体的な式は割愛しますが, これも水平定常飛行からの微小運動を考えることで線形状態方程式に帰着することができます. この状態方程式は入力量がエルロンー舵角\(\delta_a\)とラダー舵角\(\delta_r\)の2つ, 状態量が横滑り角\(\beta\), ロール角速度\(p\), ヨー角速度\(q\), ロール角\(\phi\), ヨー角変化量\(\psi\)の5つとなっています.

 

 

 

さて, 自動車の運動方程式はどうでしょうか?

まず, 自動車の座標軸は以下のように取ります(Fig. 6).

Fig. 6 自動車の座標軸

ここでは, \(z\)軸方向の並進運動, \(x\)軸回り・\(y\)軸回りの回転運動を無視できるとして, \(xy\)平面の運動のみを考えることにします. すると, 残る運動は\(x\)軸方向・\(y\)軸方向の2つの並進運動と, \(z\)軸回りの回転運動だけになります.

この3つの運動方程式(割愛)を基に, 「線形等価二輪モデル」というものを用いて, 定速運転からの前輪操舵による微小運動を考えることで, 線形状態方程式に帰着することができます.

線形等価二輪モデルというのは①~⑤の仮定をおいたモデルです.

①自動車を一つの平面剛体とみなす

②速度一定とする

③タイヤの横滑り角が小さい

④左右輪のタイヤ力は等しい

⑤車両に作用する外力はタイヤ力のみ

ここから, 以下の\(y\)軸方向の並進運動と\(z\)軸回りの回転運動に関する運動方程式が導かれ, 制御量に前輪操舵角\(\delta_f\), 状態量に横滑り角\(\beta\)とヨー角速度\(r\)を持つ線形状態方程式になります. 文字の定義はFig. 7を参考にしてください.

$$mV(\dot{\beta}+r)=-2K_f(\beta+\frac{l_f}{V}r-\delta_f)-2K_r(\beta-\frac{l_r}{V}r)$$

$$I\dot{r}=-2l_fK_f(\beta+\frac{l_f}{V}r-\delta_f)+2l_rK_r(\beta-\frac{l_r}{V}r)$$

(\(m\):車両重量, \(I\):\(z\)軸回りの慣性モーメント, \(V\):車両速度, \(l_f, l_r\):重心から前輪・後輪までの距離)

(\(K_f, K_r\):コーナリングパワー\(K=\frac{\partial F_y}{\partial \beta}\))

Fig. 7 線形等価二輪モデル

以上の説明をまとめてみました(Table 1).

Table 1 運動方程式のまとめ

これだけを見ると, 自動車の運動方程式は飛行機に比べてかなり簡単に思えますが, ここで紹介したのは自動車の運動を最も扱いやすくシンプルにしたものであって, 実際の自動車開発では左右前後のタイヤの力をそれぞれ考慮しロールもピッチも考慮しているはずです.

機体性能・車両性能

簡単に飛行機と自動車の性能を比較してみましょう.

まずは, 代表的な飛行機・自動車の速度を表にまとめてみました(Table 2). 地上走行車の最高速度というのは, ロールスロイスのジェットエンジンを2基積んだ乗り物()です.

Table 2 速度の比較

航続距離については, 自動車はおおよそ数百km~1000km程度のオーダーで, 飛行機は旅客機となると1000km~10000km程度が多い印象です.

ちなみに, 自動車の航続距離の最長記録は定かではありません(大量の燃料タンクを積んで走れば相当走れそう)が, 飛行機については, 777-200LRが香港-ロンドン間を東回りで結んで21,600kmという記録を持っており, また, ヴァージン・アトランティックのグローバルフライヤーという機体が地球一周(41,467km)を達成しています.

エンジン

飛行機のエンジンには様々なタイプがあります. 大戦中はレシプロエンジンが主流でしたが, その後, より大きな推力を生むことができるジェットエンジンが登場しました. ジェットエンジンは, 圧縮・燃焼・膨張・排気を行う各セクションの中を空気が流れていくため連続燃焼できるのが特徴で, 大きく分けてターボジェットエンジン・ターボプロップエンジン・ターボファンエンジンという区分があります. いずれにしても, ジェットエンジン内部の行程は, 断熱圧縮・等圧加熱・断熱膨張・等圧冷却から構成されるブレイトンサイクルとしてみなすことができます. ちなみに, ブレイトンサイクルの熱効率は以下の式で表せます.

$$\eta=1-\frac{1}{\phi^{\frac{\kappa-1}{\kappa}}}$$

(\(\eta\):熱効率, \(\phi\):圧力比, \(\kappa\):比熱比)

一方, 自動車のエンジンは吸気・圧縮・点火・膨張・排気を同一のシリンダー内で行うため, 断続的に燃焼を繰り返す「間欠燃焼」になります. その行程は, 断熱圧縮・等積加熱・断熱膨張・等積冷却から構成されるオットーサイクルとして見なすことができます. ちなみに, オットーサイクルの熱効率は以下の式で表せます.

$$\eta=1-\frac{1}{\varepsilon^{\kappa-1}}$$

(\(\eta\):熱効率, \(\varepsilon\):圧縮比, \(\kappa\):比熱比)

民間旅客機のターボファンエンジンの圧力比については, 20~40が主流です. 一方, 自動車のエンジンの圧縮比については, 方式にもよりますが10弱~15くらいのものが多いようです.

また, ターボファンエンジンの回転数は数万rpmのオーダーですが, ガソリンエンジンでは数千rpm程度です. 間欠燃焼のため高回転数は難しいんですかね. さらに, 出力については, ターボプロップエンジンでも1000kW程度ある一方, 自動車のエンジンが数十kW~数百kWのオーダーです.

開発・製造

飛行機の開発には, 自動車よりも長い期間を要します. リリースの10年以上前からプロジェクトが始まるため, 企画段階では10年後の市場を予測する先見の明が求められます. また, 商品サイクルは飛行機が20~30年, 自動車が4~6年という違いもあります.

部品に求められる信頼性も異なります. 大型の飛行機では300万点もの部品が必要である一方, 自動車は2~3万個の部品から構成されています. このため, 飛行機の部品の方がより高い信頼性が求められます. これは, 自動車部品の信頼性が低いという訳では無く要求される基準に違いがあるということです.

市場に売り出すために型式証明を取得する必要があるのは, 飛行機でも自動車でも同じです. ただ, 飛行機の場合は, 国連の専門機関(国際民間航空機関)の定めた国際基準に照らした認証・証明が必要な場合が多い一方, 自動車では, 各国における事故分析や大気汚染状況等を踏まえ, 原則国毎の独自基準で行われるという違いがあります[7].

1つの製品にかかる時間は大きく異なります. 自動車は20~30時間で完成するのに対し, 飛行機はBoeing 737でも9日程度[8]かかります.

また, 各社の生産能力に関しても, 自動車はトヨタが月産約100万台[9]の生産能力を有している一方, 飛行機はBoeingが月産60~70機程度(文献[10]から推測)という違いがあります.

最近のトピック

完全電動化

自動車の完全電動化はビジネスが軌道に乗るレベルで進んでいます. 日産のリーフが世界初のEVを発売されてから10年. EVの年間販売台数は年々増えています. ガソリン車に比べて航続距離が短いという欠点はあるものの, エネルギー補給に必要な値段の優位性が影響して, 電気自動車が選ばれることも多くなっています.

また, ここ10~20年で最も主流になってくると考えられるのはHV(ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド車)です. 通常走行ではエンジン, 発信時・低速走行ではモーターを使用することで効率を向上させ, さらに回生エネルギーも利用することで, 現状ではガソリン車やEVに対してアドバンテージがあります.

一方, 飛行機の電動化はまだ進んでいません. セスナ機レベルだとある程度意味のある距離を飛ぶことができていますが, リージョナルジェットクラス以上の飛行機を完全電動化するとそもそもモーターのパワーが足りず離陸できなかったり, バッテリーのエネルギー密度が少なすぎて航続距離が極端に短くなったりして, ビジネスとして成立しません.

そのため, 化石燃料を使いながら一部電動化することが考えられていますが, それでも現状の技術だと, 運用可能な機体として成立しないので, 今後, モーターやバッテリーの性能向上が求められています. 詳しくは昨年の記事で解説しています.

死亡事故

乗り物は日々移動する我々にとって大変便利なものですが, 死亡事故という負の側面があります. ここで, 航空機事故と自動車事故の死者数を比較してみたいと思います.

飛行機の死亡事故は年によってかなり異なるので, 直近5年間の平均を取ります. 2015~2019年までの死者数560, 325, 44, 556, 283人[11]を平均すると, 約350人となります. 一方, 自動車事故により死亡したのはWHOの報告書によると135万人(2016年)[12]と大変多くなっています.

これは, 操縦・運転しているのがプロかアマチュアかによる意識の違い, 走行台数・飛行機体数の違い, 走行・飛行中の周辺物体との距離の違い, 1件の事故に対して徹底的な原因究明・対策実行を行っているか, といったことが影響していると考えられます.

飛行機事故は世界的に見て, 減少してきてはいるものの, 完全にゼロにはなりません.

また, 自動車の死亡事故は, 国内では交通違反の厳罰化などの成果もあり減少が続いているものの, 世界的に見ると先進国の自動車輸送の増加に伴って増加しています. この状況を打開するためには, 技術的なアプローチ, 先進安全システムや自動運転などが有効と考えられます. 如何に低価格で事故を起こさないクルマを提供できるかが世界的な課題になっていくでしょう.

いつの日か, 飛行機も自動車も絶対に事故が起こらない乗り物として乗れる日が来ることを願っています.

COVID-19の影響

最近のトピックとして最も大きいのがCOVID-19でしょう.

航空業界は, COVID-19の影響を最も受けた業界と言っても過言ではありません. 航空業界は海外渡航需要に依存するため渡航が難しい状況では大幅な需要減が続き, また, 国内移動についても, 不特定多数の人と接触する公共交通機関を用いた都市間移動は避けたいという気持ちが働いたため需要減が長期にわたって続いています.

一方, 自動車業界は一時的に販売台数は落ち込んだものの, 半年経つと需要は昨年並みにまで回復した感があります. 自動車は移動中に不特定多数の人と接触しないため, 近場に出かける時に相対的に公共交通機関よりも選ばれやすくなったことにより, 需要がすぐに回復したのだと考えられます.

まとめ

飛行機と自動車の比較, いかがだったでしょうか.

既知の事実も多かったとは思いますが, 改めて比較してみると, 市場の特徴, 技術的な特長, 今後の課題などが見えてきたのではないでしょうか.

また, 今後, 就活を行う方で航空業界と自動車業界の両方を考えている方は, この記事を参考に比較検討を進めてもらえれば幸いです. 最後までお読みくださりありがとうございました.

参考文献

[1] “ボーイング・エアバスは投資対象として魅力的か(1): 航空機業界の分析”. 2020年2月1日. https://akihbs.com/boeing-1/

[2] “自動車業界”. 業界動向. https://gyokai-search.com/3-car.htm

[3] “Cessna C172 – アメリカ Cessna 社”. https://skycreation.net/our-airplane-and-helicopters/cessna-c172/

[4] Jane’s All the World’s Aircraft 2019-2020, Jane’s Information Group Inc., 2019
[5] Jane’s All the World’s Aircraft 2008-2009, Jane’s Information Group Inc., 2008

[6] Jane’s All the World’s Aircraft 1979-1980, Jane’s Information Group Inc., 1979

[7] 関東経済産業局. “航空機産業の動向と参入のタイミング”. https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/kouku_uchu/data/doko_timing.pdf

[8] JACK STEWART. “「ボーイング737」が9日でつくられるまで”. WIRED. 2016年11月17日. https://wired.jp/2016/11/17/boeing-9days/

[9] “トヨタグループ、国内外とも総生産台数がプラスに転じる 9月実績”. 2020年10月30日. https://response.jp/article/2020/10/30/339876.html

[10] BOEING. “ボーイング、2018年は納入機数の過去最高を更新し、受注残を拡大”.  https://www.boeing.jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/2019/january/2018-orders-and-deliveries.page?

[11] Aviation Safety Network. Statistics. 2020年1月1日. https://aviation-safety.net/statistics/

[12] World Health Organization. “Global status report on road safety 2018”. 2018年6月17日. https://www.who.int/publications/i/item/9789241565684

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)